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医療過誤

投稿日:2018年5月28日 更新日:

カルテの見間違い

先日歯医者に行った。診察室への呼び込みの段階で名前を間違えて呼ばれそうになった。ただ単なる読み間違い(”下”の名前の漢字二文字をひっくり返して呼ばれることがたまにある)であり、無事診察台に座ることができた。

そして歯科医師(主治医の代理)が言う。今日は”下”の方をやりましょう。”下”は前にやったよ。今日は ”上”のはずだけど。カルテの見間違いであった。

柳田”邦男”(ノンフィクション作家)さんの講演内容

上記の笑えないエピソードは、柳田邦男さんの講演内容(下記)そのままの光景である。

2001.01.27(日)13:00-14:30、広島国際会議場(平和記念公園内)
第25回日本眼科手術学会総会、市民公開講座「患者の安全と医の心」

講演内容を私なりにまとめると次のようになる。

医療は、患者と医療関係者による「共同作品」

これからの医療は患者と医療関係者との協力作業で作られる「共同作品」であるべきだ。

従来の“医者にすべてお任せ”の時代は終わった。患者自身が自分の人生は自分のものとして、自分の生き方にあった合理的な治療方針を自ら意思決定しなければならない時代である。

患者に求められるのは、“自分の病気について正しく理解すること”である。

しかしながら、時代はますます専門化が進んおり必要とする情報量は余りにも多い。主治医によるインフォームド・コンセント(説明-理解、納得、同意)が最も大切なことは言うまでもないが、それだけでは不足する場合も多い。必要十分な情報をどこからどのようにして入手するかが問題である。これからの医療はまさに一種の情報戦といえる。

より良い治療を受けるためには、医師との会話をスムースにすることである。

そのためには、患者の側にも準備が必要である。まず第一に、医師の名前(フルネーム)、専門をきちんと聞いておくことである。そのほか、幾つかの注意点があるが、つまりは、自分の病気とその治療内容(方針)について正しく理解するためにはどうしたらよいかということになる。

患者の安全確保のために

疑問があれば直ちに質問しなければいけない。

左右の手足を間違えて切断されてからでは遅い。悪くない臓器を摘出されてからでは遅い。

患者の安全確保のため、患者をフルネームで呼ぶこと、またそれだけでは不足で、〇〇町一丁目一番地の何々さんと呼ぶべきである、という提言がなされた。医療が患者と医療関係者が共同で作る「作品」である以上、患者の尊厳を守るためにフルネームで呼ぶことは当然である。さらに、同姓同名の患者取り違えによる医療事故も多く発生していることから、押さえとして住所確認まで必要だ、というのである。

以上のようなポイントを中心として、患者の安全を守るために、患者の心がけるべきことと医療関係者(特に医者)の心得について述べたものである。ソフトな語り口ながら、ジャーナリストとしての豊富な経験からくる説得力のある講演であった。また、提示資料は、手書きのレジメ(OHP原稿)に紹介図書(写真)を加えただけのスッキリとしたもので、これまた参考になるものであった。

余談(ジャーナリスト柳田”邦夫”さん)

2001年10月21日にアフガニスタンに不法入国し、翌22日にタリバン政権に拘束された(11月16日解放)柳田大元さん(37)は、「ジャーナリズム読本」「書き言葉のシェルパ」などの著書があるジャーナリスト柳田”邦夫”さん(88年に死去)の長男。義兄はノンフィクション作家の野村進(45)さん(97年に「コリアン世界の旅」で大宅壮一ノンフィクション賞などを受賞)。

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